エレヴァン
Yerevan

アルメニアの首都エレヴァンの歴史は古代に遡ります。碑文によれば紀元前782年、かつてこの地に存在したウラルトゥ王国により、要塞都市エレブニが築かれ、エレヴァンの由来となったとされます。

ウラルトゥの滅亡後は、様々な勢力が往来を繰り返しますが、エレヴァンの地には集落が存続し、交通の要衝として繁栄しました。1918年の独立以降は首都に制定され、ソビエト連邦時代を経て、再独立後の現在も経済や文化の中心地であり続けています。

現在のエレヴァンの市街地はソビエト連邦時代の初期、アレクサンドル・タマニヤンにより設計されました。古来の旧市街は残っておらず、猥雑な情緒こそないものの、建築にはバラ色の火山性凝灰岩が多用され、独特の景観を示しています。

市街地は共和国広場を中心に広がり、すぐ外側にはフラズダン川が流れ、市域の南東部にはエレブニの遺跡が保存されています。中心部の高台からは、晴れた日にはアララト山を望むこともできます。

共和国広場 政府庁舎
共和国広場の政府庁舎 (2017年8月)
エレヴァン 共和国広場 アルメニア歴史博物館
共和国広場のアルメニア歴史博物館 (2017年8月)
エレヴァン 共和国広場 噴水
毎晩ライトアップされ噴水ショーが開催される (2017年8月)
エレヴァン カスケード
中心部の北端、カスケードと呼ばれる高台からはアララト山も望める (2017年8月)
エレヴァン 中心部
エレヴァンの中心部 (2025年10月)
エレヴァン オペラ劇場
オペラ劇場もアレクサンドル・タマニヤンの設計 (2016年1月)
エレヴァン フラズダン川 アララト ブランデー工場
フラズダン川と著名なブランデー「アララト」の工場 (2016年1月)
エレヴァン モスク
市内に唯一残るモスク (2016年1月)
エレヴァン ザクロジュース
アルメニアを象徴する果物ザクロのジューススタンド (2025年10月)

啓蒙者グリゴル大聖堂

アルメニアのキリスト教受容1700年を記念し、1996年から2001年にかけて建てられました。当時の王トルダト3世とアシュヘン王妃に捧げられた礼拝堂と、王をキリスト教に導いた啓蒙者グリゴルの名を冠した大聖堂で構成され、拝廊にはグリゴルの聖遺物が安置されています。

エレヴァン 啓蒙者グリゴル大聖堂
アルメニアで最も大きい教会建築 (2025年10月)
エレヴァン 啓蒙者グリゴル 聖遺物
拝廊には啓蒙者グリゴルの聖遺物が安置される (2025年10月)
エレヴァン 啓蒙者グリゴル大聖堂
1700名を収容する大聖堂 (2025年10月)

マテナダラン

歴史的なアルメニアの写本を保管する博物館です。マテナダランと呼ばれる同様の施設は各地にありますが、エレヴァンのマテナダランは最大規模を誇り、中世から18世紀までの貴重な写本が約20,000円所蔵されています。分野は歴史、哲学、医学、天文学、芸術と多岐に渡り、展示物は訪問者も閲覧できます。

マテナダランは、中世アルメニアの建築様式に着想を得て設計されたといいます。建物の前面には、アルメニア文字を発明したメスロプ・マシュトツと弟子の像が飾られています。

エレヴァン マテナダラン メスロプ・マシュトツ
メスロプ・マシュトツとアルメニア学者の像が並ぶ (2016年1月)
エレヴァン マテナダラン メスロプ・マシュトツ
エレヴァン中心地の外れに建つ (2016年1月)

写真・文 : 田村 公祐

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