1世紀、トルダト1世により建てられたガルニ神殿は、アルメニアで唯一残る異教の寺院で、太陽神ミフルを祀ったものとされます。キリスト教の受容後も教会に転換されずに存続し、王族の夏の離宮として用いられました。
建築はヘレニズム様式の影響を受けている一方、アルメニアの民族文化との折衷も見られます。
17世紀の大地震で崩壊し、その後は廃墟となりますが、20世紀に復元されました。
神殿の周囲にはローマ浴場や、7世紀にネルセス3世の命で建てられた、聖シオン教会の遺構があります。
近年、アルメニアではごく限定的ながら、異教に回帰するネオペイガニズムの機運も見られ、象徴的な場所とされるガルニ神殿では、儀式が執り行われることがあります。
写真・文 : 田村 公祐

