モースル

イラク北部の都市モースルは、古代にはアッシリア帝国の都として栄えました。チグリス川を挟んで東岸にはニネヴェの遺跡、西岸の旧市街には古いモスクを中心とした、歴史的な建築物が多数残ります。モースル市内はスンニ派イスラム教徒のアラブ人が多数派ですが、周辺地域は世界でも有数の宗教的多様性で知られます。

長らく治安の不安定な状況が続き、世界で最も危険な都市とも呼ばれる中、2014年には過激派組織ISの急襲を受け、2017年に解放されるまで支配下に置かれました。奪還作戦では激しい戦闘によって広範囲に被害が及び、特にISが籠城した西岸の旧市街は徹底的に破壊されました。

現在は治安も安定しており、ユネスコや諸外国の主導により、豊富な観光資源を生かし、着実に復興への道を歩んでいます。

チグリス川には5つの橋が架かっている (2023年10月)

中央のオールドブリッジは旧市街に通じる (2023年10月)

歩道があり人々が行き交う (2023年10月)

夜も趣がある (2023年10月)

旧市街の入り口に広がる魚市場 (2023年10月)

昼も夜も大勢の買い物客で賑わう (2023年10月)

チグリス川で獲れた大型の淡水魚が多い (2023年10月)

その場でさばいてもらうことも可能 (2023年10月)

生きの良し悪しで魚を仕分けているが、いささか大胆だ (2023年10月)

背開きにした鯉の丸焼き「マスグーフ」はイラクの名物 (2023年10月)

場所がないため2階でも焼いている (2023年10月)

マスグーフは大きくて1人では持て余すが、切り身のフライもあった (2023年10月)

ザクロや柿を売る露店 (2023年10月)

市場も壊滅したが復興し、市民の生活の場となっている (2023年10月)

石鹸屋の店主 (2023年10月)

伝統的な金物を売る店 (2023年10月)

金物を作る職人 (2023年10月)

金属を鍛える音が聞こえてきた (2023年10月)

市場の通りにあるモスク (2023年10月)

祈りを捧げる人々 (2023年10月)

裏通りに入ると途端に廃墟になる (2023年10月)

歴史的な建築が多い地区だが、忠実に再現するためか後回しのようだ (2023年10月)

安全の確認が取れた建物には「safe」の文字が書かれている (2023年10月)

壁に絵が描かれていた (2023年10月)

瓦礫は片付いているものの内部は手付かずだ (2023年10月)

ユネスコの修復事業の対象となっている (2023年10月)

崩落の可能性がある建物もある (2023年10月)

道から外れると不発弾の撤去が住んでいない場所もある (2023年10月)

復興作業をする市民と思われる像 (2023年10月)

当時のISの指導者バグダディが演説をしたヌーリー・モスクも破壊された(2023年10月)

傾いたミナレットが特徴的だったが、破壊され修復作業中だ (2023年10月)

ユネスコ主導で大規模な修復作業が行われている (2023年10月)

日本の国旗もあった (2023年10月)

敷地内に複数の教会がある区画 (2023年10月)

アルメニア使徒教会と思われる建築 (2023年10月)

アルメニア文字の部分はつるはしで破壊されている (2023年10月)

この区画にはシリア正教会、シリア・カトリック教会、アルメニア使徒教会があるようだ (2023年10月)

外観の修復が済んだ教会の入り口 (2023年10月)

前の路地では修復作業が行われていた (2023年10月)

作業に従事する男性 (2023年10月)

修復が済んだ教会 (2023年10月)

内部は破壊されたが修復された (2023年10月)

やはり文字の部分は破壊されている (2023年10月)

修復が済んだ教会 (2023年10月)

この地域では珍しいドミニコ会の教会 (2023年10月)

住宅地の修復は完了していないが、人は住みはじめている (2023年10月)

脇道に一歩入るとまだ道半ばと感じさせられる (2023年10月)

自主的に修復作業をする人々 (2023年10月)

住宅地の中にも古い教会があった (2023年10月)

学校帰りと思われる子供達 (2023年10月)

伝統建築を改装した資料館 (2023年10月)

1階が展示、2階がカフェとなっており、周囲には土産物屋が並ぶ (2023年10月)

展示品は市民から提供されたものだそうだ (2023年10月)

モースルや周辺に暮らすあらゆる民族の伝統衣装 (2023年10月)

実は一人のアッシリア人作家が制作していた (2023年10月)

モースルにゆかりのある人々の肖像 (2023年10月)

吹き抜けから見下ろす (2023年10月)

戦闘で生じた天井の穴 (2023年10月)

ISからの奪還直後は荒れ果てていたようだ (2023年10月)

伝統建築を模した新築の資料館 (2023年10月)

伝統的な暮らしを再現した展示 (2023年10月)

地下の展示スペース (2023年10月)

イスラム教徒、キリスト教徒、ヤズィーディーが共存するなかでISが現れたことを示す絵(2023年10月)

ヌーリー・モスクのミナレット、アッシュルバニパルの像といった土産物があった (2023年10月)

屋上からはチグリス川や大モスクが見える (2023年10月)

川沿いには雰囲気の良い喫茶店が並ぶ (2023年10月)

男性ばかりだが、夜遅くまで賑わっておりとても雰囲気が良い (2023年10月)

ボードゲームや水タバコをして楽しむ人々 (2023年10月)

アッシリアの都だったニネヴェの城壁には15ほどの門があったとされる (2023年10月)

その1つのアダド門は、イタリアの援助により修復された (2023年10月)

観光名所に限らず、至るところに植樹がされていた (2023年10月)

既に案内板ができており、一般の観光客も入れる (2023年10月)

伝統建築を模したビジターセンター (2023年10月)

アッシリア帝国の版図 (2023年10月)

作業をするのは主に現地の人々だった (2023年10月)

敷地内では遺跡の発掘も同時に進められており、写真の撮影も許可された (2023年10月)

最も有名なネルガル門はISに完全爆破され、スロープの遺構が辛うじて存在を示していた (2023年10月)

階段があり、ニネヴェの敷地と市街地を隔てる丘に登れる (2023年10月)

東向きにあり、太陽を司る神シャマシュの名を冠した門は、ISに破壊されず健在だ (2023年10月)

区画毎に異なる国が請け負っており、マシキ門はアメリカによる修復作業が始まるようだ (2023年10月)

預言者ヨナの墓と呼ばれるモスクもISにより一部が破壊された (2018年12月)

柵越しに覗くことはできるが、この時点では内部は立ち入り禁止だった (2018年12月)

サダム・フセインの失脚後、建設途中のまま放置されている大モスク (2018年12月)

作業が再開され、塗装が始まっていた (2023年10月)

大規模な図書館を擁する名門のモースル大学 (2023年10月)

キャンパス内の建物もメソポタミアの建築様式を踏襲している (2018年12月)

大学周辺の通り (2023年10月)

以前、新市街にはマスグーフの露店があったが、移動したようだった (2018年12月)

写真・文 : 田村 公祐

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